そして、灰と小さな欠片になってしまった父。


なのに家に帰ると、血だらけの姿で立っているのだ。


『お・・・とう・・・さん』


声にならない声を発しながら、わたしに手を伸ばす父。


怖かった。大好きだった父が怖かった。


『いや、やだよお父さんッ』


必死に逃げるわたしを追いかけてきた。


石につまずき父に捕まりそうになった。


・・・もう逃げられない。



『嫌だ・・・助けてっ』