「やぁぁぁぁぁぁっ!!」 玖於の声と共に、竹刀の当たる音がする。 玖於の相手の竹刀は、道場の端っこに飛んでいった。 わたしは、その稽古を見ながら、後ろに隠している紙束を握り締めていた。 「一本!! 勝者一条!」 「「ありがとうございました」」 稽古が終わったのだろうか? 道場から出てくる玖於に駆け寄る。 わたしに気が付いた玖於は、ニコリと微笑み汗を拭っていた。