僅かな願いを・・・込めて。 わたしは、紙を箱にしまった。 これは、玖於に預けておこう。 まあ・・・それも、まだ先のことだが。 スッと襖を開け、外を見る。 降り出した雪が、全ての音と光を吸い込んでいるようで。 物音一つしない庭を、ぼんやりと眺めた。 「平助君・・・雪投げられて、風邪引いてたな・・・」 懐かしい思い出。 それに、口元を緩める。