そっと、崖の下を覗き込む。 ・・・ここに、人が来ない理由が分かった気がする。 窪み一つ無い、切り立った斜面。 垂直に落ちているのか、地面と交わる部分がはっきりと見て取れる。 断崖絶壁とは、このことだろう。 「落ちたら・・・一溜まりもねぇな」 「えっ?」 背後から、聞き覚えのある声。 振り返ると、腰に刀を差した土方の姿があった。