わたしは土方の部屋を出た後、藤堂さんの部屋に案内されていた。 部屋に向かう途中、庭の桜が目に入った。 「・・・綺麗」 月明かりに照らされ、堂々と咲き誇る桜に目を奪われる。 ・・・この時代の武士と同じだ。咲き誇り、儚く散ってゆく。 きっと新撰組もそうなのだろう。 「どうした?」 急に立ち止まり、庭を見つめているわたしに声をかけてきた。