涙を堪えて、駆けて行く姿。 その背中には、悲しみと絶望が映されていた。 それでも、気丈に振舞っているのだ。 俺が、なよなよしているわけにはいかない。 周りには、もう誰もいない。 平助・・・これだけは、言わせてくれ、と空を見上げる。 「平助・・・ごめんな・・・ それと・・・睦月を守ってくれて、誠を貫いてくれてっ」 堪えていた、涙が止めどなく溢れ出す。