そっと、背から降ろされた平助に近づく。 血に染まった、着物。 どれほど・・・どれほどの苦痛を味わっていたのだろう? だけど、平助は笑っていた。 穏やかな、眠っているような表情で。 「平助・・・っ」 クルクルと笑う、平助はもういない。 助けられなかった、連れ戻せなかった・・・ 「ごめん、な・・・」