「・・・分かった」 平助君の目には、もう迷いなど無かった。 ただ、まっすぐに澄んでいる。 そして、原田さんと永倉さんが空けていてくれた間をぬって逃げ出そうとした。 「睦月っ!! 後ろぉっ!!」 永倉さん・・・? その叫び声に、何があったのかと後ろを振り向く。 そこには・・・つい最近入隊した、三浦常三郎っていう男がいた。 異様なまでに、ギラギラと血走った目。 危ない、と直感的にそう思った。