曲がり角に差し掛かった頃、自分の視界に、人影が飛び込んだ。 「あ、すいません」 わたしはとっさに謝る。 ぶつかってしまった相手は尻餅をついていた。 「えっと・・・・・・あの、大丈夫ですか」 あー、もう。早く帰りたいんですけど。 ぶつかったのはわたしだけど、そんなことは関係ない。 わたしは早く帰りたい、ただそれだけなのだ。 「・・・・・・大丈夫」 なかなか起き上がらないから、大丈夫じゃないのかと思った。