「早く逃げますよ!!」



そう叫ぶが・・・平助君は動いてくれない。


唇を噛み締めて、俯いている。


何で・・・何で、逃げてくれないの?



「僕・・・逃げてもいいのかな?

一度は、新撰組を裏切っている僕が・・・

途中で、逃げ出したりしてもいいのかな――――?」



焦りのせいで、涙が出そうになる。


どうして、そんなことを言うの?