その人影の後ろから走ってくるのは・・・ 間違いなく、あの人の姿だった。 平助君を見ると、たまらなく不安になった。 これからのこと・・・助けてあげられるのか、わたしに出来るのか・・・ 『睦月、頼むぞ』 『はいっ』 わたしは、強張る体を動かし刀を抜く。 そして・・・伊東に駆け寄る男を、斬り付けた。 辺りに飛び散る、赤い血飛沫。