それから、斎藤さんは口を噤んでしまった。 『何も聞くな』 そんな雰囲気が、斎藤さんから出ている。 「斎藤さ・・・「伊東は」 斎藤さんに、声をかけようとする。 だけど、それは斎藤さんに遮られてしまった。 「伊東は・・・死んだのか?」 空を見上げたまま、無表情の斎藤さん。 だけどその顔は、少しだけ沈んでいるように見えた。