「・・・一条」 「ん? 何?」 俯きながら、小さな声で呟く。 「あ、ありがとう――――」 嬉しさのせいで、少し目頭が熱くなったのは、気のせいだ。 一条にその声が聞こえたのか分からないが・・・ あの顔を見ている限り、聞こえていたのだろう。 まだ立ち直れていないわたしだったけど・・・ 少しばかり、藤堂さんが生き続ける。 明るい未来にも希望が持てるようになってきた。