不思議に思ったわたしは、そのことを原田さんに聞いてみた。


でも・・・原田さんは目を泳がせるだけで、何も教えてくれなくて。


わたしの中のモヤモヤは残ったままだった。



「オ――――イ、睦月? いるのか?」


「すみません、今行きますっ!」



わたしは大声で叫び、広間へと走った。


わたし達がこうしている間にも、あの出来事は進んでいて。



わたし達は、少しずつ追い詰められていたのだ。


でも・・・まだ、それに気付いている人は、誰一人いなかった。