わたしは、後ろで握り締めていたある物を取り出す。 そして、平助君に駆け寄って、手渡した。 「・・・お守り?」 「はい」 昨日、北の天満宮で貰ってきた物だ。 少しでも、平助君が無事でいられますように―――― もう、自分の手で出来ないのなら、神頼みしかないと思った。 お守りには、“安全祈願”と書いてある。