こんなこと、いつもの平助君ならしないはずだから。 だけど―――― 今はこのまま、この時間に身を任せてしまいたい。 平助君・・・ 「――――大好きだから。 誰よりも、誰よりも・・・」 わたしは小さく呟くと、目を閉じた。 もう、何も聞こえていなかった。 「ごめんね、鈴・・・大好きだったよ」 こんなこと、平助君が言っていたなんて・・・ わたしは知らなかった。