内心げんなりしていたわたしは、前を向いた。 「・・・藤堂さん、分かってますよね?」 「――――分かってます」 後ろで、伊東が平助君に話しかけていた。 何が分かったのだろう? でも、平助君の表情を見ている限り、いい感じの話ではなさそうだ。 だって・・・ 平助君は悔しそうな、悲しそうな、泣き出しそうな―――― そんな表情をしていたから。