必死に追い駆けても、追い付かない。 あの明里さんが、こんなにも速く走るなんて思わなかった。 わたしが明里さんに追い付いたのは、山南さんが死んでいるであろう部屋の前。 部屋の外まで臭う血の臭いに、明里さんは固まっている。 震える手で、明里さんは襖を開けた。