部屋中に、甘い香りが広がった。 「どう? 綺麗でしょ」 「は、い。 あり、がとうご、ざいます」 喉が痛かったが、声を振り絞って話す。 その声は、到底自分の声だとは思えない位だった。 「ねえ、いきなりだけどさ、睦月の下の名前って、れい、だよね?」 声を出すのが、しんどかったのでコクリと頷く。 その次の言葉で、わたしの熱は一気に上がったと思う。