昨夜の夕餉の皿は、全然減っていない。 「山南さん・・・夕餉・・・」 「ああ、すまないね。最近食欲が無いんだよ」 薬の包み紙だけが空になっている。 たぶん、わたしがなんと言ってもこの人は聞かないだろう。 それなら、山南さんが頭の上がらない人を連れて来ればいいのだ。 「あ、すみません。 わたし用事があるので・・・失礼しますね」