「どこへ行くんですか?」 部屋を出ようとしたわたしに、背後から声がかかる。 その声は山崎さんだった。 前と変わらない抑揚のない声。 でも、いつもと違うことがあった。 それは・・・わたしを見る目が、困惑と疑惑の念を宿していたということ。 「もしかして・・・俺を治療してくれたの、山崎さんですか?」 「・・・そうです」 恐れていたことが起きた。