「ん?藤堂さんですか?」



少しびっくりしたような声で、睦月がこちらを振り返った。



「あ、あぁ。えっと・・・前のことなんだけど・・・」



僕は、力士のことを睦月に話した。


あのまま斬らなかったら、睦月が死んでいたかもしれないという事。


そして・・・



「怖い思いさせてごめんな。  でも、ここに居る限りこんな思い、沢山すると思う」



だから―――――――


「その分、僕が睦月の力になるよ」