耳元でビュウビュウと風が鳴る。 どうせ死んだって悲しむ人はもういないのだ。 むしろ大好きだった人たちの所へ行ける。 ・・・本望だ。 フッと微笑み目を閉じた。 薄れていく意識の中、最後に見たのは―――― こっちに必死に手を伸ばす、居るはずのないあいつと、穏やかな春の青空だった。