「その時、酔った武士に斬られたんだ。そして・・・」 藤堂さんの目の端から涙が流れる。 「そのまま僕の・・・僕の目の前で死んだ」 嗚咽を堪えた声。 いつも笑っている藤堂さんに、そんな過去があったなんて・・・ 想像できない。 「まだたったの10歳だった・・・っ」 僕が殺したんだ――――殺したも当然だ・・・ 握り締めた手の上に、ボロボロとこぼれる涙。