雨の滴る少し憂鬱な放課後。部屋で転た寝をしていたあたしを、コンコンとノックの音が起こす。




「……ん、」






夢見心地から目を覚まし、よろよろと立ち上がりながら扉を開ける。




そこにいたのは傘を持って満面の笑みを浮かべる遥登君だった。







「蒼空、お出かけしよー!」




「……え?」






遥登君、何でこんなにテンション高いの……?ていうか長靴可愛いね。



まだぼんやりとしか働いていない頭でそんな呑気なことを考えていると。




「ほら早くっ」




傘を振り上げながらあたしの手を取り、否応なしに部屋から連れ出そうとする遥登君。







「ちょ、ちょっと待って下さい!あたし今寝てて……っ」



寝起きだし頭とかぐちゃぐちゃだし……!






「じゃあ10分だけ待ってる!用意できたらすぐ行こう!」



「え、あのっ……遥登君?」








「10秒経過ー」



容赦なしにカウントダウンが始まり、あたしは慌てて部屋に戻り身支度をする。






一体どういうことなの。と、納得のいかないままとりあえず急いで髪を梳かした。