その後も水のように飲む松波。


意外にも会話をするのは苦では無く、

俺は珍しく、かなりのハイペースで

ロングカクテルのグラスを次々と空けた。






「京夜様……京夜様…」


……誰だ?

俺の名前を呼ぶのは…。



「もう!!」



―――――ん?

何だか、身体が揺れてないか?

お酒のせいか、

凄く揺れが心地良くて…



「ちょっと……京夜様……」

「んッ……んー……」



ボスッと身体が沈み込む感覚と

フワッと香った爽やかな香り。

頬にかかる髪を、

そっと流してくれる指先が

凄く心地よくて……


俺は無意識にその手を手繰り寄せた。



「キャッ!!」


……ん?

『キャッ!!』って、

今、女の悲鳴が聞こえたような?

んなワケねぇよな……。