『店内入口』と書かれた扉へ向かいながら。
「どんな感じに?」
「至極普通に」
「レベルは?」
「レベル?」
「そう、レベル。5段階なら?」
「………」
みかの言う『レベル』というものがサッパリ解らない。
どれ程の段階があるのか知らないが、
『肉食系』の部類に属してるコイツの世界がどんなモノなのか。
いや、そもそも、その手の世界すら解らない。
なんて答えていいものか。
ただ、言える事は……。
恐らく、経験者のコイツの常識と
俺が推測する世界の常識の差は歴然だろう。
だとすると、
「5がMAXなら、1でいい」
「1で?」
「あぁ、1で。言っとくが、完全スルーで頼む」
「それ、マジで言ってんの?」
「あぁ」
俺の言葉に納得の行かないみかは足を止めた。
「降りるか?」
「面白いキャスティングだから、降りないわよ」
「フッ、………だろ?」
「それに、今日1日の私がバカみたいじゃない」
「だな」
「フフフッ、だったら完璧にするまでね」
「ッ?!…………あぁ」
ニヤリと悪女の顔に豹変したみか。
………俺、チョイスミス……したか?