京夜様は『女』を毛嫌いしているハズが、

今、私の目の前で女性店員に耳打ちを!!


『女嫌い』のオーラを微塵も見せず、

どちらかと言うと、楽しそうに。


何が彼に起きたの?

もしかして、熱でもあるのかしら?


合点のいかない私は、

2人のやりとりをただジッと見つめていた。



「おい、松波」

「あっ、はい」

「行くぞ?」

「………はい」


再び、優雅に歩き出す京夜様。

そんな彼の後を必死に小走りで追う。


ショップを出た途端、

再び、『近づくなオーラ』をビンビンに出す彼。


さっきのは一体、何だったのだろう。

気になるものの、直接聞く事も出来ず。


そんなモヤモヤ感を抱いたまま、


「おい」

「はい?」

「社に戻るぞ」

「………はい」


何?!

急に仕事モードON??

まぁ、デスクに張り付いていてくれたら

余計な気を遣わなくて済むから助かるけど。


1時間ほど、売り場をチェックした私達は

御影本社へと戻る事にした。