あまりにも軽やかにかわすから、

俺がまるでピエロみたいに無様じゃねぇか。


クソッ!! 腹が立つ。

『女』如きに……。


俺らは無言のまま35階へ。


その後、

俺は自室に籠り、思考を巡らす。


一体、どうやったら奴の尻尾を掴めるか。

あの身のこなしからして、

そう簡単には掴めそうもないし。


例え、罠を掛けたとしても

まんまと引っ掛かるとも思えない。

奴は意外と頭の回転も良いしな。


さて、どうしたものか。


俺は書類に目を通しながら

アレコレと作戦を練っていた。



そして……―――……


―――――11時40分。

打ち合わせを兼ねての会食先へ向かう事に。



待ち合わせのホテルに到着すると、

突然、松波が挙動不審な行動を取り始めた。


ん? 何なんだ??