たった、ひと言。





「小澤」



不意に呼ばれた名前に振り返る。


そこにいた中川を見て、一気に体温が上昇する。



「さっき日誌書いてて、前の席のヤツに“頑張った人”書いてって言ったら、
自分の事書けば?って言われた」




「え」



「お前と同じ事言ってたよ」



「あははっ」



笑うと拗ねたような中川が可愛い。




「自分の事書きそう、ってみんな思ってるんじゃない?」



「はぁ!?違うしっ」



「あはは、嘘だよ」



「笑ってんなよ!」



「あははっ、ごめん~」



2人して笑っていると、


「中川、帰るぞ!」


という中川の友達の声。



「あ、じゃあまた明日な」


「うん、バイバイ!」




帰って行く中川の背中に、ドキドキが止まらない。



今日は、やっぱりいい日だ。