たった、ひと言。


話しかける事はできないまま、一週間。



「愛美、次体育だよ!外行こう」


友達の言葉に、廊下に出る。


と、少し困った表情の奈美がドアの前にいた。



一瞬考えてから、教室のドアが閉まっているのを見て納得した。


これじゃあ中川を呼ぶに呼べない。




「中川でしょ?あたし、呼んでくるね」





その瞬間、パァッと笑顔になる奈美。



「ありがとう!」




そしてたった今閉めたドアを開けて、中川を探した。



5人くらいの友達とじゃれあっている。


その楽しそうな笑顔が、好き。



呼んだら中川は、奈美のところに行ってしまう。


でもドアの方にいる奈美を見ると、呼ばないわけにはいかなくて。