切なそうな笑顔をする彼女を見て察した。 彼女と会うのはこれで最後 そう感じると、チクリと胸が痛む。 “これでお別れでございます。姫時さん” 私の前に立ってくると、冷たい無機質の物を握らされた。 彼女の手が離れて 自分の手の中にデジカメが置いてあることに気がついた。 “これで、思う存分お写真をおとりください……。 そして取り終えたら、桜が咲く頃……屯所の縁側において置いてください” 『桜が咲く頃……ですね』 ギュッとデジカメを握り締めながら聞き返した。