「そしてみなさん。」
「ん…?」
校長のうるせー声で目が覚めた。
「卒業おめでとう!」
「うーるせ」
…「雪は本当にダメなんだから」
遠くで柚の声が聞こえた気がした。
「…そして皆さんが来てほしいと言うゲストに来ていただきました」
その紹介と共に女がステージに上がる。
「皆さんの要望を受けてこの度挨拶させて頂く、久遠柚希です」
…ゆ……ず?
「「柚希じゃん」」
「柚希ちゃん!?」
「ゆう!」
「柚…やっと来たわね」
驚きで声が出ない。
「なんでかよくわかりませんが、呼ばれたので来ました。私は、引っ越しをして去年ここを旅立ちました。上手くいかなくて泣いた日もありましたが、とても充実した生活を送っていました。だけど、大切な親友をここに置いてきちゃいました。優衣、桜ちゃん、海、廉ちゃん……そして雪。ライバルだって……夏実を置いてみんなからさよならしたんです」
柚……。