幼なじみに恋をした2


“売家”

と書いた紙が貼ってあった……。


「売家?意味…わかんね…よ…?」


なんでいねぇ?
どこいった?
ドッキリならやめてくれよ、たちがわりぃぞ?


「雪都っ!」


そこには車から降りてきた俺ん家の家族。


「柚ちゃんにさよならも言わないで!」

「さよなら?」

「そうよ!今日引っ掛すって聞いてなかったの!?」

「…」



また俺はやったんだ……。
柚のわがままを聞いてやれなかった。


柚より夏実を選んで、

柚を振り払って、

柚をたくさん傷つけて、

柚をたくさん泣かした―……。