家の前で深呼吸して、 「ただいま…」 返事はなかった。 …やけに静かだな。 「柚ー?」 どこ探しても柚がいない。 家に帰ったのか? 俺は自分の部屋に行って柚の部屋を見ようとした―…。 「!?」 中はなにも、ものが置いていなくてもぬけの殻状態。 は…? なにこれ。 なんでなにもねぇの? ベッドも机も…本棚も。 「なんで…?」 震える声。 俺は外へ出た。 ―…!