柚は大切なんだ。

壊したくない。

そう思っているのに―…。

“雪!”

“ゆきぃ…”

“ゆーきー!”

笑う柚、

泣く柚、

怒る柚。


全部大事で全部見たい。



俺しか知らなくていいんだ。

「雪って呼べよ…」

柚の声を聞きたい。

柚に触れたいよ…。


柚を忘れて夏実ばっか心配してた俺はバカだな……。
柚を失うんだぞ……。


「ばーか…!」


泣くな、男だ。


堪えろ。



泣きてぇのは柚なんだ…。