微かなのに酔わせるような先輩の香りが頭にまで回ったせいで、拒否することもまばたきする事さえも止められてしまった。 繋がれた左手と……、繋がれた唇。 薄暗い図書館の古い床に、重なった2人の影ができる。 静かな静かな空間に、先輩とあたしの呼吸だけが聞こえていた。