……―――ミシッ……ミシ。
「……っ!」
急に本棚が音を立てるから、ビクっと身体がすくむ。
改めて見回してみれば、古い本棚に古い机。
そして、人気のないただ広くて薄暗い部屋……。
ずっと不気味に感じていた異様な雰囲気が、あたしを包む。
カタカタとがたつく窓も、床の木目の模様も、全部が怖くなってきて……、足が動かない。
そんなあたしの様子を見計らったかのように、先輩がもう一度言う。
「朱莉、こっちおいで」
さっきは断ったその誘い……。
「……」
だけど怖さには勝てなくて、大人しく座ると、隣で先輩が微笑んだ。