仁美と山岸の会話を途切れさせたのは、誰でもないあたしの声。
騒がしい教室の中で、ついうっかり思いついてしまった考えに、顔をしかめた。
「もしかして……、ホモ?」
一瞬、仁美と山岸が完全に停止した。
動きも声も。
だけど、次の瞬間、場を仕切っていた沈黙が山岸の笑い声で一気に明るくなる。
底抜けに明るい笑い声は、他のグループからの視線も集めるほどに騒がしい。
「ないないないないっ。ありえねぇよ」
あまりの否定ぶりに、むっとして山岸を睨みつけていると、黙っていた仁美が真面目な顔をしたまま頬を赤くした。
「でも……、あれだけの美形だと、それもありえなくないよね……。
今流行りのBL……」



