「残念だけど、学年主任の先生に頼まれている事があるから、もう行かないと。
だから朱莉達のお芝居にこれ以上付き合うことが出来ないんだけど……。ごめんね」
「え……」
びっくりして思わず声を漏らすと、それを見た先輩がクスッと笑みをこぼす。
そして、あたしの横を通り過ぎながら言う。
「次の謝恩会では朱莉たちに劇でもやってもらおうかな。
それまでには、もう少し練習を積んでおいてもらわないとだけど」
少しだけ緩めた口からさらりとイヤミを言った相沢先輩。
演技だってバレてる……。
でも、それよりも気になる事があって、先輩を呼び止める。
「名前っ、呼び捨てにしないで!」



