「……でも」
そう言って、先輩があたしを見る。
視線に気付いて見上げると、少し顔を歪めて微笑む先輩と目が合った。
「朱莉に疑われてたなんて、正直心外だよ。
俺の気持ちなんて、分かりきってると思ってたのに」
切ない顔で言われて、慌てて口を開いた。
「でも先輩、あたしと一緒にいてもいつも冷静だし……、その、あたしばっかり好きみたいに思えちゃって……」
恥ずかしくなりながらも白状すると、先輩は一瞬だけ黙った。
そして、伸ばした手であたしの頬に触れる。
びっくりして思わず立ち止まると、先輩も足を止めた。
そして、向かい合うように立って、あたしを見つめる。



