恋の罠 *- 先輩の甘い誘惑 -*



しんとした室内に、秒針の音が響く。

しばらくしてから、「バラさないで」って、うつむいた有田先輩が言った。


「じゃあ、交渉成立って事で。証人もいるわけだし」

「あ、だから俺呼ばれたんだ。相沢なんにも話してくれないから何かと思った」

「一年間一緒に生徒会の仕事をしてきて、信用できると思ったから付き合ってもらったんだ。

時間とらせて悪かった」

「いや、面白いもん見れたからいいけど」


副会長と話した先輩が、今度は仁美を見る。


「大野さんもごめんね。

朱莉のために怒ってくれてありがとう」

「……いえ。相沢先輩を敵に回したのがあたしじゃなくてよかったです」


チラっと有田先輩を見ながら苦笑いする仁美に、相沢先輩も困り顔で微笑む。

そして。


「じゃあ朱莉、帰ろう」


先輩が優しく微笑んだ。