恋の罠 *- 先輩の甘い誘惑 -*



セリフは全部アドリブ。

だから、山岸が何を言うつもりかなんて今の今まで知らなかったけど……。


いつもの自分の事を言われてるみたいで、軽く頭にきていた時。

一瞬忘れていた人物が声をかけてきた。


「その辺にしておいた方がいいよ」


それは、決して大きくない、落ち着いた声なのに……。

ざわついている中でも消えずに耳に入り込む。


「おまえには関係ねーだろ!」

「キミの態度も言葉も。女の子に迫るようなモノには思えないんだけど。

それとも、そんな脅迫めいた言葉じゃないと自分に自信がなくて声もかけられない?」


いつものように十分に余裕を持った態度で、ターゲットの相沢先輩が近づく。


かかった……っ!