「朱莉?」
「だって……っ、あたし、先輩にしてあげられる事とかないし……。
それどころか、一緒にいると邪魔ばっかりしちゃうし……っ!」
「……邪魔だなんて、誰が言った?
ハッキリ言っておくけど、朱莉をそんな風に思った事は一度もないよ」
「でもっ、特別補習だってあたしのせいで出られなかったし……っ」
訴えるように言うと、先輩が黙る。
そして、あたしの目尻の涙を拭いながら言う。
「朱莉、ちょっとこっちおいで。
大野さんもよかったら来てもらえるかな」
「え、あたしも?」
手を握りなおされて引っ張られるまま歩き出すと、あたしの後ろに仁美が続く。
わけが分からなくて仁美と顔を合わせた後、先輩の背中に聞く。
「先輩……、どこ行くんですか……?」
「学習室に有田を呼び出してあるんだ。
ちょっと取引したい事があって」
「……え、」
「有田に何か言われたからそんな事気にしてるんだろ?」
事実なだけに何も言えなくて。
引っ張られるまま、相沢先輩の後ろを歩いた。



