恋の罠 *- 先輩の甘い誘惑 -*



「思いません。そんな事」

「たいした能力もないくせに、そんなところばかり自信があるのね。

でも、そういうのを自信過剰って―――……、」

「―――朱莉」


呼ばれて振り向くと、相沢先輩があたしの隣に並ぶところだった。


有田先輩との会話をどこまで聞いてたかは分からないけど……。

相沢先輩が有田先輩を見る瞳が、いつもと違うように感じた。


なんか……、ちょっとだけ怒ってるようにも見える。

だけど、そんな意味深な視線を有田先輩に向けた後、相沢先輩はあたしを見て微笑んだ。


いつも通りの笑顔で。


「送るよ。帰ろう」

「あ……、はい」


あたしの手を掴んだ先輩がどんどん歩くから、その後ろを小走りで追う。

有田先輩をチラって見ると、こっちを睨むように見ているのが分かった。


相沢先輩は、不自然なくらい有田先輩を振り返らなかった。