有田先輩を見返してやりたいって気持ちもある。
けど……、それよりも。
ずっと持てなかった自信をどうにかして手に入れたいって思う気持ちの方が強かった。
相沢先輩はいつもカンペキで。
だから、そんな先輩と一緒にいると、ホントにあたしでいいのかなってよく思ってた。
そういう不安が勉強なんかでどうにかなるとは思わないけど。
せめて頑張れる事は、頑張りたいから。
……それで有田先輩も見返せたら一石二鳥だし。
そんな雑念が湧いてきていた時。
ガラって音がして、教室のドアが開いた。
開放してる教室だから、あたし以外の生徒が使っても不思議じゃない。
だから、特に誰かも確認しないまま問題集に向かっていたら、ふっと影が落ちて……。
何かと思って顔を上げて、びっくりした。



