口を尖らせながら俯くと、それを見た仁美が笑った。
「そういう顔、相沢先輩にも見せてあげればいいのに。
成績で有田を打ちのめすのもいいとは思うけど、先輩に気持ちさらけ出して弱いところ見せるのも大事だと思うけど」
「……そのうち出すからいいの。
それよりも、今は勉強する。成績なんか、気合いであげてやるんだから」
有田先輩に言われたままなんて、悔しくて仕方ない。
しかも、それをちょっと納得しちゃった自分もイヤだから!
自信を持って相沢先輩の隣に並べるような、そんな子になりたい。
そのためだったら。
勉強くらいなんでもない! ……ハズ。



