恋の罠 *- 先輩の甘い誘惑 -*



 ※※※


「あたし、来週の期始めテストで、学年の30位以内に入るから!」


翌日の朝、教室につくなり宣言したあたしを、呆れた顔した仁美が笑う。


「無理じゃない? 朱莉頭悪くはないけど、30位以内って結構大変だよ。

学年に約300人いるんだから1/10にならないと無理って事だし。

大体、一学期の期末、何位だったの?」

「……63位」

「300位を250位に上げるって言うならできそうな気もするけど、63位を30位って一番難しそうじゃない?

5教科で30点以上上げないと難しいと思うけど」

「……30点」


つまり、1教科6点か。


「それに試験まで一週間きってるじゃん。バイトもあるんでしょ?」

「バイトは、今までよりも1時間遅れて入る事にしてもらったから大丈夫。

だって、成績上げない限り有田先輩に言い返せない気がするんだもん!

またあんな事をあんな態度で言われるのなんか絶対にイヤだし、言い返せない自分もイヤ」