「いや、遠慮しておく。俺は朱莉を送……、」
「すみません。あたし、用事あるんです。
行こ、仁美」
「え、でも……っ」
「いいから!」
有田先輩と相沢先輩を気にする仁美の腕を、ぐいぐい引っ張る。
―――これは、女のプライドの問題だ。
『そう? でも、同じレベルで勉強できる子を傍においた方が、相沢くん自身だって高められるでしょ?
……だから相沢くんはあたしを拒まずに傍におくんじゃないの?』
『あたしはそう思ってるけど、何か意見でもある?』
あんなあからさまな挑発されて何も言えないなんて……、悔しすぎる。
このまま言われ放題で終わるなんて、絶対にさせない。



