歯切れ悪い返事しかできないあたしを、相沢先輩が不思議そうに覗き込む。
少し心配そうに見つめてくる先輩を見て、気持ちが落ち着いていくのが分かった。
「相沢先ぱ……、」
「それより相沢くん、こないだの英文の問題、解けた?
よければこれから一緒に答え合わせしない?」
あたしの言葉を遮るように言った有田先輩が、相沢先輩の隣に並ぶ。
そして、見せつける様に相沢先輩の腕に触れた。
「木曜日からは補習も始まるし、予習とかもしておきたいの。
一緒にした方がはかどるでしょ?」
相沢先輩が無言のままあたしを見つめる。
あたしがどんな顔してるか、気にしてるみたいに。
その隣からは、有田先輩が意味深げに微笑みながらあたしを見てた。



